はじめに

タイというと皆様どんなイメージをお持ちでしょうか?微笑みの国、豪華な寺院、タイマッサージなど豊富な観光資源がありながらも、東南アジア全般的に持たれるイメージとして、治安が悪い、衛生面の問題、不便などのネガティブなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?

 

しかしタイは他の東南アジア諸国とは一線を画しておりますのでご安心ください。

 

タイ全土には7万人以上の日本人が滞在しており、そのほとんどがタイの首都であるバンコク在住という事実があります。日本人移住者の数ランキングではなんとオーストラリアに次ぐ世界で4位に入っているのです。

これだけ多くの日本人が住んでおられますので、日本の食事やサービスが日本の地方都市以上に充実しているのです。そして治安も良く、夜道の独り歩きでもそれほど危険を感じることはありません。

 

初駐在が決まり、気乗りしないまま、恐る恐る渡タイされた方々が、数年後、涙しながら帰任されるのは、バンコク駐在あるあるのうちの一つなのです。

 

そして、快適な生活を送る為に最も重要と言って過言ではないのが、バンコクでのお部屋選び。一体どんな物件に住めば帰りたくなくなるほど充実したバンコクの駐在生活を送ることができるのでしょうか?

 

そのためには家族構成や通勤を加味したロケーションも重要ですし、アパートかコンドミニアムか、はたまたサービスアパートか、それらの違いをご理解いただいて、お好みやご予算によってお部屋選びをしていただく必要があります。

現地の状況もよくわからぬまま、駐在後、速やかにお部屋を決めなければならないという状況も多く、吟味できずに失敗してしまう方も中にはいらっしゃいます。

 

ここでは、初めてバンコクに駐在される皆様に向けて、わかりやすい、失敗しないお部屋探しの情報をお届けいたします。

 

物件種別について

日本の場合、物件種別はアパートとマンションの2種類がありますが、実際のところそれらに明確な区分が無いのをご存じでしたでしょうか?

一方タイの場合、アパート、コンドミニアム、サービスアパートと3種類の物件があり、そこには明確な違いがありますので、お部屋選びをされる際には必ず頭に入れていただきたいポイントです。

 

①サービスアパート

【メリット】

文字通りアパートに、お部屋の掃除などのサービスが付加された物件で、ホテルのように、レセプションカウンターが存在します。

 

皆様も見知らぬ地のホテルに宿泊し、お勧めのレストランや、観光ツアーの手配などお願いしたことが経験はありませんでしょうか?また給湯器のお湯が出なくなったなどの不具合対応から、部屋まで重い荷物を運んでほしいなど日々のちょっとしたお願い事まで幅広く相談することができます。

 

ほとんどの係員は日本人にも慣れておりますので、片言の英語などを交えれば、タイ語不要で意思疎通ができるレベルです。特に右も左もわからない初めのうちは大変重宝するのではないでしょうか。

 

お部屋事体はアパートと大差はないのですが、生活家電から食器まで一通り揃っていますので、スーツケース一つで引越しが完了してしまうことと、メイドサービスがついており、お部屋の掃除とリネン交換までが賃料に含まれているのが特徴です。

 

サービスの頻度は各アパートによってそれぞれなのですが、大体週3回程度の場合が多く、洗濯とアイロンがけまでやってくれるところもありますので、お忙しい駐在生活におかれましては大変ありがたいサービスなのではないでしょうか。

 

実はバンコクにはメイド派遣会社がたくさんありますので、ご自身でメイドサービスを手配することは可能なのですが、個人での費用負担、個人の責任となってしまいます。

メイドサービスが家賃に含まれるメリットは、費用はお勤めの会社負担、何かトラブルがあったとしても、サービスアパートの責任での対応になりますのでメイドサービスが必須という方にとっては断然こちらをお勧めします。

 

【デメリット】

レセプションカウンターがあることからもわかるように、大抵のサービスアパートではデイーユースにも対応していますので、ホテルと同じく住人以外にも様々な人の出入りがあります。

観光シーズンなど大勢のゲストが宿泊することも珍しくなく、必然的にエレベーターやスイミングプールなどの共用施設は混みあい、賑やかになりがちです。

特にBTS駅近の物件は一般的にホテルより割安でゲストからも人気の物件ですので、ご入居前に空室状況をご確認いただき、外からのゲスト宿泊者が少なそうな物件をお選びいただくことで、ある程度は回避することができます。

 

また、メイドがお部屋の中に入りますので、プライベートが保たれにくいという点と万が一の盗難に備えて貴重品は都度セキュリティーボックスに入れておくなど、意外と面倒な一面もあったりします。

 

そして何よりもサービス付きだけありましてお家賃は通常のアパートよりも高めに設定されていますので、よいロケーションでよいお部屋にさらにサービスが付く場合は、かなりの高額のなってしまい、場合によってはご予算内に収まらないことがあるかもしれません。

 

②アパート

【メリット】

日本人駐在員にもっとも人気のあるのがこのアパートでして、建物全体を1人(法人)のオーナーが所有しているタイプの物件です。

 

一般的にタイでアパートというとコンドミニアムより家賃が安く、セキュリティーも貧弱で低所得者向け物件のイメージがあるのですが、皆様にお勧めさせていただいております高級アパートの場合は、日本人を中心とした外国人に向けたお部屋になっていることがほとんどです。

 

一般的なアパートでは設置されることのない浴槽があるばかりか、バスルームには日本式の洗い場、トイレにはウォシュレット、窓には網戸、そして大きめの下駄箱がついた玄関というように、お部屋の設計段階から明らかに日本人を意識したであろう造りになっています。

 

ほとんどの場合、階下には管理人室があり、オーナーから雇われた管理人がアパートの管理や運営をしています。

建物の定期メンテナンスや、ペストコントロールなどは管理人さんによって計画的に実施され、お部屋内での不具合からエアコンのメンテナンスなども全体的にスムーズな対応をしてくれます。

他に、家賃や電気、水道料金なども管理人室でお支払いしていただけますので、簡単で分かりやすいと評判です。

 

またこのタイプにはペット可の物件もございます。

バンコクでは比較的簡単に安く、犬猫などのペットを買うことができます。動物好きの方で将来的に可能性のある方は、是非こちらもご検討いただければと思います。

 

【デメリット】

日本人好みのお部屋は多いのですが、単身者向けのスタジオルームや1ベットルームの取り扱いが極端に少なく、ご家族向けの2ベットルーム以上のお部屋が多めになっております。

人気物件は空きがない場合も多く、運とタイミング次第となってしまいますので、第二、第三の候補をたてていただかなくてはなりません。

 

また、電気代、水道代は電力会社と皆様方との直接契約ではなく、アパートを介した契約となりますので、独自にアパートが設定した割高な電気代と水道代になってしまいます。

インターネット回線の契約も各自で行えない場合が多く、最悪の場合、速度の遅い共用のネット回線のみのところもありますので、インターネットの速度を重視される方は入居前に実際にテストしてからご判断くださいませ。

 

コンドミニアム

【メリット】

日本でいうところの分譲マンションになります。つまり、お部屋ごとにそれぞれオーナーがいて、ほとんどの場合、法人ではなく個人オーナーの物件となります。

近年はBTS(スカイトレイン)やMRT(地下鉄)沿線に高層のタワーマンションタイプの物件がどんどんオープンしていますが、それらほとんどがコンドミニアムとなっております。

 

不動産価格が割安と言われているバンコクにおいても、タイの一般庶民が購入できるほどリーズナブルな価格ではありませんので、中国人や欧米人などの外国人か、タイ人の富裕層がオーナーの場合がほとんどです。

 

ロケーションがよく、築浅の物件が豊富に揃っており、お部屋や共有施設もアパートに比べ豪華ですし、高層階からの展望は筆舌に尽くしがたいものがあります。それでいてアパートに比べると割安な物件が多く、電気代、水道代等の公共料金は各電力公社、水道局と皆様との直接契約になりますので、光熱費も格段に抑えられます。

また、インターネット回線も部屋毎で契約できることがほとんどですので、皆様の用途に合ったプランをお選びいただけるのはありがたいのではないでしょうか。

 

【デメリット】

何か問題が発生した時の対応に対する不安が主なデメリットでしょう。

アパートですと不具合やメンテナンスを管理人室にお願いすればすぐに手配してくれるのですが、コンドミニアムはそれらを各オーナーへ依頼することになります。

 

そもそもタイ国内に定住されていないオーナーもいますので、実際現場に立ち会ってもらって説明することが困難な場合があります。たとえ内容が伝わったとしても、対応はオーナー次第ですので、必ずしも皆様のご要望に応えてくれるとは限りません。

 

つまりオーナーの当たりはずれが大きく、そもそも当たりはそれほど多くないという現実があります。

タイ人は基本的に小さな不具合などにいちいちクレームを入れない国民性ですので、オーナーにとっては日本人的な細かな指摘には取り合っていられないという考えなのかもしれません。

 

入居時に支払うデポジットもアパートであれば退去時にほとんど返金されるのですが、コンドミニアムは細かく部屋をチェックされたうえで、修繕費に回されるケースが多く、ほとんど返金されないことも珍しくありません。

全てがオーナー次第ですのでお部屋選びの段階で、オーナーと顔御合わせて、人柄を見極めるのは極めて重要と言えるでしょう。

 

もう一つの注意点としてオーナー個人との契約になりますので、お勤めの会社のポリシーによっては、そもそも選択肢から外れてしまう場合がありますので、そちらもご確認くださいませ。

 

立地について

①スクンビットエリア

バンコクにはBTS(スカイトレイン)とMRT(地下鉄)、エアポートリンクの3つの電車が走っておりまして、BTSのアソーク駅からエカマイ駅までがスクンビットエリアと呼ばれています。

 

中でもBTSのプロンポン駅を中心としたプロンポンエリアと、そのお隣のトンロー駅を中心としたトンローエリアが日系のレストランやサービスが集中しており、日本人駐在員に大変人気の高いエリアとなっております。

 

こちらのエリアには日本語対応の「サミティベート病院」や、日本食材が何でもそろう「フジスーパー」が4店舗、日本人御用達の高級デパート「エンポリアムデパート」、日系の幼稚園や学習塾なども集中しています。

また、日本人学校(小学部、中学部)はBTSエカマイ駅からエカマイ通りを6kmほど北上した場所に位置しておりまして、スクールバスの送迎範囲はスクンビットエリアに限定されています。

対象のお子様がいらっしゃる場合には、事実上スクールバスの送迎エリアに縛られてしまいますのでご留意くださいませ。

 

②シーロムエリア

スクンビットエリアに次ぐ、人気エリアのシーロムエリアは、BTSサラデーン駅、MRTシーロム駅を中心としたバンコク随一のオフィス街となっておりまして、沢山の日系オフィスが入居しております。

 

また、歓楽街や日本食レストランも数多くありますので、スクンビット同様利便性の高さに加え、バンコクを代表するルンピニ公園も徒歩圏内ですので、ジョギング、サイクリング、バードウォッチングなど休日にリラックスするにも申し分のないロケーションです。

 

③チットロムエリア

アソークの先、BTSチットロム駅周辺のチットロムエリアは欧米人に人気で、大使館やお洒落なレストランなどが建ち並ぶエリア、スクンビットとはまた違った洗練された街並みが魅力のエリアです。

 

④ネクスト・スクンビット

現在進行形でBTSMRTともに路線が拡大されており、既にスクンビットラインはお隣のサムットプラカーン県まで延伸されております。

それに伴い日本人居住エリアもどんどん拡大していっておりますが、その代表格がネクスト・スクンビットと呼ばれるプラカノンやオンヌットです。

日系のレストランやサービスも増えつつあり、急激に人気上昇中のエリアです。

 

ご単身者の場合の失敗しないお部屋探しのポイント

間取りについて

スタジオ(日本でいうところのワンルーム)もしくは1ベットルームがお勧めです。お料理される方であれば、匂いがベットシーツなどについてしまいますので、1ベットルームがより快適にお過ごしいただけるでしょう。

 

物件の種別について

ご多忙の駐在員にとって、日々のお部屋掃除などは、かなりのご負担になるのではないでしょうか。ご予算の都合さえつけば、是非ともサービスアパートをお勧めいたします。

 

立地について

日系の食事何処も多く、利便性、歓楽街、ルンピニ公園と3拍子揃ったシーロムエリアをお勧めします。しかし、お勤めが郊外の工業団地などの場合には通勤しやすさを考慮してスクンビットエリアやオンヌットなども併せてご検討くださいませ。

 

ご夫婦の場合の失敗しないお部屋探しのポイント

間取りについて

タイのお部屋は比較的ゆったり作られていますので1ベットルームで十分な収納スペースがあれば、それほど窮屈には感じることはないでしょう。部屋数が増えますと、お掃除やなどメンテナンスの手間も増えてしまいますので、考慮が必要です。

 

物件の種別について

サービスアパートでもよいのですが、メイドサービスが入る際は、お部屋空けていただくなど多少の面倒がございます。プライベートが保たれるアパートかコンドミニアムをお勧めいたします。

 

立地について

日本人同士のご近所付き合いが苦でなければスクンビットエリア、あるいはせっかくの海外駐在なので異文化交流に重きを置きたい方は、チットロムかオンヌットがよいでしょう。昼間、奥様の「足」と安全性を考慮すると、いずれのエリアにしてもBTSの駅近は必須条件です。

 

ご家族の場合の失敗しないお部屋探しのポイント

間取りについて

小さなお子様2人までですと2ベットルーム、それ以上で3ベットルーム、また小さなお子様のベビーシッターやメイドサービスをご利用される場合は、メイド部屋の有無も確認されるとよいでしょう。

 

物件の種別について

ご予算の都合がつけば、管理のしっかりしたアパートがよいでしょう。ただし施設の豪華さを重視される方や、お家賃を節約したい方はコンドミニアムも併せてご検討くださいませ。

 

立地について

日系の幼稚園または、日本人学校に通われる場合はスクンビット一択となってしまいます。日系の病院やスーパーマーケットなどが充実しておりますので、日本生活と比べても不自由なくお過ごしいただけるでしょう。

 

セールススタッフより

バンコクのお家賃は年々上昇中ですが、特にスクンビットエリアなど駐在員の定番エリアに関してはその傾向が強くなっております。あくまで目安にはなりますが、下記の程度のご予算は考えられていた方が賢明です。

 

駐在員向け物件の家賃相場

スタジオ(1ルーム) 30,000バーツ

1ベットルーム    35,000~70,000バーツ

2ベットルーム    50,000~85,000バーツ

3ベットルーム    60,000~120,000バーツ 

 

初海外生活にご不安をお持ちの方、日本と同様の暮らしを求められる方、日本人学校に通うお子様がいらっしゃる方、小さなお子様連れで日本語対応の病院が近くにないと安心できない方などは、少し無理をしてでもスクンビットエリア内で物件を探されることをお勧めします。

 

ただし、他のエリアも十分便利で、十分安全ですので必要以上に縛られる必要はありません。スクンビットエリアは確かに日本人にとって便利に違いないのですが、日本人居住率100%の物件も決して珍しくなく、せっかくの海外駐在なのに、日本人同士の近所づきあいに煩わしさを感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

そんな方にお勧めしたいのは、プルンチットエリア、整然としたバンコクらしからぬ街並みは日本人より圧倒的に欧米人に人気ですので、異文化交流するには打ってつけのエリアと言えます。

 

そして、お家賃や生活コストを抑えたい方には、ネクスト・スクンビットの一角、日本人に人気急上昇中のオンヌットがお勧めです。

スクンビットと比べてお家賃が3~5割も安く、周囲はローカル価格の商店がほとんどですので、タイマッサージや食材などが驚くほど安く手に入ります。

日本食レストランに居酒屋、駅前には完成したばかりのショッピングモールもあり、日本人がますます増えそうな予感、発展中の活気あふれるエリアです。

また、BTSを使えばオンヌット駅からプロンポン駅まで10分ですので、利便性もバッチリで、郊外の工業団地へお勤めの方には高速道路の入り口も近く、快適に通勤いただけます。

 

バンコクは広く、多種多様なバリエーションからお部屋をお選びいただけます。ここで挙げた情報を元に、ご家族構成、ご予算、通勤時間などをご考慮頂いて、最適で失敗しないお部屋選びの参考にしていただければ幸いです。